花のように優しく育てるべきだった

12月25日にBS1スペシャル「地下鉄に咲く小さな花 韓国 老人宅配便」をたまたま見た。

韓国は年金のシステムがまだ不十分で、高齢者の貧困が問題となっているようだ。そこで、そのような高齢者の働き口の受け皿として、老人宅配便というものがあるそうだ。65歳以上は地下鉄が無料で乗れるので、地下鉄を用いた徒歩で宅配をするというシステムだそう。

主人公の一人は、そのような老人宅配便の中小企業の社長であった。

その社長の会社には花が多く飾ってあり、全て路上に落ちていたもの。社長は頻繁に水を与えており、花は弱っていても、愛情をかけ可愛がってあげれば、育つと言う。

人の話を聞かず仕事も非常に遅い新人の70代の社員が、多く社員からあいつはダメだと言われている中、社長だけはここを辞めたらその社員の生活が成り立たないことも考え成長を待つ姿勢に、先ほどの花への考えが被る。

過去の話になった際に、昔は仕事一筋で家庭を顧みなかったため、離婚しており、元妻と長男はアメリカ、長女は嫁に行き、現在は一人暮らしということがわかる。

唯一父親になついて、時々会っていた次女は、7年前に自殺で亡くなったことも。

次女の葬儀には多くの人が集まり、彼女はとても豊かな人生を送ったのだと社長はいう。涙し、席を外してしまう。

最後に社長がいう。

「花のように優しく育てるべきだった、だからいま花を育ててる」

 

小さな娘がいる自分には、痛いほど彼の後悔の深さが伝わってくる。

彼女がどんな辛い目にあっても最悪の決断をしないように、花のように優しく愛情をかけて育てていきたい。